PET検診は、がん検診の中でも最も利用しやすい検診の一つです。PET検診は、従来までの方法と異なって人間が本来持っているブドウ糖を利用して検診を行う方法であるため、身体に負担をかけずに検診を行うことができます。なぜブドウ糖を利用することでがんの発症がわかるのでしょうか。それが、がんのエネルギーがブドウ糖だからです。
ブドウ糖を大量に身体に取り込むと、がん細胞はそのブドウ糖をエネルギーに対して増殖することになるため、点滴を行うときに最初からブドウ糖に特殊なマークをつけておくことによってがんがどこにあるのかを確認することが出来るようになります。ただし、一つだけ注意点があります。それは、ブドウ糖を利用するPET検診は脳にはあまり効果を示すことができないということなのです。脳は、ブドウ糖をエネルギーとして活動する器官であるため、同じブドウ糖を利用して活動するがん細胞とはあまり相性が良くありません。
脳にはブドウ糖が自然と集積する特徴があるため、点滴によってブドウ糖を注入したとしてもそれによって脳にがん細胞があるとはわからないのです。そのため、脳のがん検診を行うときにはPET検診だけではなく別の手段を利用する必要があります。がん検診は、複数の方法を組み合わせてがんの発見を行うことが出来るため、一つの方法にこだわる必要はありません。むしろ一つの方法にこだわると見つけることが出来るものも見つけることができなくなってしまうので、実際に検診をするときにはその点だけ注意をしておく必要があるのです。